タイにおけるイネノシントメタマバエの寄生蜂, Platygaster oryzae (CAMERON) および P. foersteri (GAHAN) の発育生態
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概要
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タイ国におけるイネノシントメタマバエ個体群の動態とそれに関与する天敵の働きを明らかにするための研究の一環として, 2種の主要寄生蜂Platygaster oryzaeおよびPlatygaster foersteriの発育経過を平均気温27.1℃の変温下で飼育して調べた.1.P.oryzaeでは, 卵が稲葉上の寄主卵内に産下され, 寄主の孵化幼虫が稲の生長点内に侵入して1∿3齢の幼虫期を経過する間に, その体内で胞胚卵から胚期へと発育する.寄主が前蛹期に達する頃から幼虫に発育するとともに, 寄主体内を徐々に食いつくし, 寄主体をマミー化しながら蛹化する.羽化後マミー外にはい出した成虫は, さらに虫瘻先端近くに直径0.3mmの小孔をあけて脱出する.卵から成虫の羽化までの全発育期間は約27日であり, 健全な寄主の発育期間よりも約5日長い.2.P.foersteriでは, 発育経過や卵, 幼虫などの形態が前種とよく似ているが, 幼虫までの発育は前種より早く, 寄主幼虫が3齢期に達する頃から寄主体をマミー化して蛹化する.しかし, 前種に較べて蛹期が長いため, 卵から成虫の羽化までの発育期間は約26日でほとんど差がない.羽化成虫は, 約4日間マミー内にとどまったのち虫瘻から脱出した.本種の脱出孔は前種のものよりやや大きく, 直径約0.4mmであった.
- 日本昆虫学会の論文
- 1981-09-25
著者
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