諌早湾調整池からのCOD・全窒素・全リンの排出量および失われた浄化量の推定
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概要
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1997年に諌早湾を締め切って作られた調整池から流出する汚濁物質が諌早湾や有明海の環境悪化を引き起こしていると懸念されているので,調整池からの排出量を検討した。調整池から諌早湾へのCOD,全窒素(TN)および全リン(TP)の負荷量を,調整池内の濃度に排出水量を乗じた場合と,さらにこれに排出時に想定される底泥の巻き上げによる懸濁物質(SS)増加分を加えた場合の二通りについて解析した.また,ボックスモデル解析によって締め切り以前の干潟浄化力を推定した。締め切り後年間負荷量は,CODは3,000〜4,800 t,TNは430〜550 t , TPは20〜70t増加したと推定された。調整池が作られた後の負荷量の大きな増大は,調整池を締め切って淡水化したため,海水交換による希釈効果,干潟の生物的浄化力に加えてSSの凝集・堆積という物理化学的浄化力が失われたためと推定された。
- 日本海洋学会の論文
- 2003-11-05
著者
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