上空からのデジタル地形計測 : 有珠山での地盤変動計測例(<特集> デジタル時代の応用地質)
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概要
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従来, 地形を広範囲に計測する手段としては, 航空写真測量により地形図を作成する方法が一般的であった.近年, 航空機等から地上に向けてレーザパルスを照射し, 反射してくるレーザとの時間差で距離を計る技術により, 三次元的な地形情報をデジタルで取得する方法が用いられるようになった.この方法を用いて, 平成12年3月に噴火した有珠山において噴火後の地形情報を取得し, 噴火前と比較することで噴火による地盤変動量を求めた.この作業を通じて, レーザ計測と航空写真測量による地盤標高データの取得方法の違いを比較した.レーザ計測結果は, 直接デジタルデータとして得られるため, 航空写真測量等により同様のデータを得るのと比較して, 地形データを短工程・短期間で作成できる可能性が確認できた.また, GISを利用した地形解析に容易に利用可能であるという利点を持つ.一方, 課題としては, 地盤標高データを取得する場合には, 植生の繁茂状況に大きく影響を受け, また計測されたデータが実際に何の対象物を測定した値なのかを確かめられないことがあげられた.課題解決のためには, 今後も引き続きデータの検証等を行っていく必要がある.
- 一般社団法人日本応用地質学会の論文
- 2002-02-10
著者
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稲葉 千秋
国際航業株式会社北海道支店
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稲葉 千秋
国際航業(株)
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稲葉 千秋
国際航業株式会社
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永田 直己
国際航業
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石井 邦宙
国際航業(株)
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中村 三友
国際航業(株)
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永田 直己
国際航業(株)
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石井 邦宙
国際航業
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