CREAMSで見た変化する東海/日本海
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概要
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東海/日本海が劇的な変化をしている。国際共同研究CREAMS(Circulation Research of East Asian Marginal Seas)によって,過去数十年の間に全層の水温が持続的に上昇し,特に溶存酸素の極小層は1,000m以上深くなる等,東海では非常に急激な構造変化が起きていることが確認された(Kim and Kim,1996;Kim et al.,1999;Kim et al.,2001)。溶存酸素の解析結果はこういう変化が東海内の海水循環形態の変化に起因していることを強く示唆している。すなわち,過去に活発であった底層水の形成が弱まり,代わりに中央水の形成が強化されるに伴って現れた現象であることが示唆される。特に注目すべきは東海でのこのような海水循環形態の変化は将来の地球温暖化によって予想される全地球的な海洋循環系(グローバル コンベアーベルト)の変化の様相(Manabe and Stouffer,1993)に酷似していることから,ミニ大洋である東海は地球規模海洋の将来を予測するための絶好の実験場を提供していると思われる。
- 2002-05-05
著者
-
尹 宗煥
九州大学応用力学研究所
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Volkov Yuri
海洋研究所
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姜 東鎮
ソウル大学校地球環境科学部海洋循環系研究室
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金 慶烈
ソウル大学校地球環境科学部海洋循環系研究室
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金 〓
海洋研究所
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尹 宗煥
ソウル大学校地球環境科学部海洋循環系研究室
-
竹松 正樹
海洋研究所
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