ウェーブレット変換に基づいた電子透かし技術の画質評価に関して
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概要
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デジタル情報の不正利用を抑止する有力な技術の一つとして『電子透かし』が近年クローズアップされている。これまでの電子透かし技術には、画像の輝度情報に直接情報を隠蔽するものや、圧縮技術をべースとしたDCT変換やウェーブレット変換を利用したもの、スペクトル拡散通信方式を用いたものなどが存在する。その中でも我々は、圧縮技術をべースとした電子透かし技術を中心に実験を行なっている。それは主にこれからのデジタル画像情報が圧縮技術と切り離せないと考えたからである。 その圧縮技術と言えば、現在もなおDCT変換が有力である。しかし我々は次の2つの理由からDCTではなくウェーブレット変換を取り上げ、実験を行なっている。1つはよく言われているもので、DCT変換を用いたものはその基礎としているDCT変換自体に、基底関数の境界の不連続から生じるブロック歪みや、全ての基底関数の幅がブロックサイズに固定されることから生じるモスキート雑音といった本質的な問題があり、今後ウェーブレット変換などの次世代の新しい技術に置き換わってゆくと考えられる点。 2つ目は、ウェーブレット変換を用いた場合の実験や解析のしやすさに基づく。我々が最も知りたいのは、原画像と透かし画像を埋め込んだ画像の画質との間のトレードオフに関する諸データである。ウェーブレット変換の特徴は周波数変換した低域側を再帰的に同じフィルターを通して分解するもので、正規直交ウェーブレット変換を用いれば各解像度間でにおいてオクターブ関係が保たれる。我々はその関係を用いて、多重解像度表現における情報埋め込みの影響や、周波数帯域ごとの画質の計測を行なう必要があり、そのためにはウェーブレット変換が最も適していたことによる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-08-13
著者
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