映像表現のためのカメラワークに関する一考察
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概要
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近年のコンテンツ作成技術の発展は多様な表現を持つコンテンツの作成を可能にし、また、通信手段の多様化や今後の放送チャネルの拡大等に伴い、コンテンツを容易に短期間に作成する必要が高まりつつある。我々は、コンテンツ作成支援のための個々のツールを統合、制御し、各ツールを利用する専門知識が十分でなくても、容易に利用できる枠組みとしてCOMI&CS(Computer Organized Media Integration & Communication System)を提案している。本システムではコンテンツ作成のための映像表現方法が重要な課題の1つとなる。そこで先ず、完成された映像の表現技法の検討を開始した。このために、教材として容易に入手可能であり、完成映像が豊富にあるので、扱い易い「能」映像を対象として表現技法の解析を試みた。ここでは、プロが撮影した臨場感のある仕舞(「能」の構成要素の一種)の映像を対象として、人物の大きさや画面全体に対する位置を手作業で測定し、プロのカメラワークを抽出した。更に、アマチュアカメラマンが撮影した仕舞の全体を記録するための映像を、特殊効果をかける装置を使って、プロのカメラワークと同じになる様に人物の大きさや画面全体に対する位置を補正する事により、臨場感のある映像となる事を確認した。今回は、前回手作業で行ったカメラワーク(パン,ズーム)の抽出をカメラパラメータ自動抽出法により行い、プロの手による臨場感のある映像の特徴を抽出し、アマチュアが作成した映像との差を明確化した。この結果、高品質な映像を撮影しておき、後処理でカメラワークを与える事により、目的に応じた映像表現を実現できる可能性を確認した。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-09-18
著者
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