圧縮応力誘起のホットキャリヤ電子捕獲準位低下現象
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概要
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圧縮応力誘起の電子捕獲準位低下モデルを提案し,実験的に初めて検証した.-100MPaの圧縮応力下では電子捕獲エネルギーは80meVから44meVに低下することが明らかになった.この電子捕獲準位低下モデルを用いると次のような実験結果が統一的に解釈される.DC(直流)的なホットキャリヤ(HC)注入では電子捕獲準位低下がSi-SiO_2界面における電子捕獲増大をもたらし,しきい値電圧変化(ΔV_<th>)の増大が観測される.一方,AC(交流)ストレスでは,圧縮応力印加によりドレーンアバランシHC(DAHC)注入によるΔV_<th>が増大,チャネルホットエレクトロン(CHE)注入によるΔV_<th>が減少した.これはACストレスでは電子注入と同時に捕獲電子の離脱現象も起こるため,電子捕獲準位低下が両現象を促進し,両者の兼ね合いで劣化現象が決まることを意味している.DAHC注入の場合,正孔の同時注入が起こり,新たに捕獲準位が形成され,それに電子が捕獲されるため,電子捕獲が顕著になる.CHE注入の場合は電子注入が主であるため,捕獲準位低下により捕獲電子の離脱が優位になると解釈される.
- 1993-10-25
著者
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