DSRCの多目的利用を実現する路車間通信の環境に適した通信プロトコルの設計と実装(ITS通信技術, <特集>ITS技術論文)

概要

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近年の車載情報システムや移動体通信技術の発展に伴い, 車内と車外をつなぐ情報通信へのニーズが高まっている.その一つとして, DSRC (Dedicated Short Range Communication)応用システムが注目を集めている.しかしながらDSRCでは, ETC (Electronic Toll Collection System)以外の多用途展開に向けた通信プロトコルが標準化されていなかったため, 通信の相互接続性が確保できず, DSRC応用システムの展開は困難であった.この問題に対して, DSRC上でインターネット接続を行う手法(IP over DSRC)が提案されているが, この手法では, (1)初期接続に一定の時間がかかるため, 走行中の車への適用が困難, (2)高度な情報表示・入力機能を必要とするため, 低リソースで実現できないといった問題がある.そこで, 本論文では, DSRCにおいて走行中の車両や低リソースな車載システムに対するサービスを実現するための通信プラットホームについて, そのアーキテクチャとプロトコルについて述べる.また, DSRC路側機/車載器への実装と通信実験によって, (1)高速接続性能, (2)低リソース端末への実装可能性, (3)走行車両に対する通信量に関する検証を行い, 本プラットホームの有用性を確認した.
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-02-01