生産者の好み及び市場情報の不確かさと時間遅れを考慮した競合状況での市場選択問題

概要

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生産者(エージェント)は,より高い利益が得られるような市場を選択し,その市場に生産物を出荷する.生産者が市場選択を行う際,生産物の市場価格は大きな決定要因となる,しかし,必ずしも市場価格だけで出荷する市場が決定されるわけではない.生産者によっては,市場に対する好みが市場選択に反映されるかもしれない.また,時々刻々変化する情報が飛び交う状況においては,生産者は市場情報の不確かさや時間遅れを考慮しなければならない.更に,多くの生産者が共通の市場を選択する場合,生産者の間に競合が発生する.本研究では,これらのことを考慮したHogg-Hubermanモデルによる市場選択問題の定式化を提案する.このモデルは,HoggとHubermanが提案した計算生態学モデルである.本論文は,従来の利益が市場価格のみで与えられるモデルをも含んでいる.シミュレーションでは,生産者の好みと市場情報の不確かさと時間遅れが考慮したモデルを用いることにより,生産者の平均利益を高めることが可能であることが示された.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-06-01