複素係数を用いた特性可変 IIR フィルタの一構成法

概要

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ディジタルフィルタの応用において,フィルタリング中にリアルタイムでフィルタ特性を変化させるという要求がある.この要求を満足させるために,一つのパラメータによる実係数の遮断周波数可変低域通過フィルタが提案されている.また,一つのパラメータによる複素係数の片帯域端固定帯域幅可変帯域通過フィルタも提案されている.しかしながら,これらのフィルタは,特性を変えたときに振幅特性の乱れが生じてしまい,これを避けることができなかった.本論文では,特性を変えても振幅特性に乱れを生じない,一つのパラメータによる特性可変IIRフィルタの構成法を提案している.提案した特性可変フィルタは,制限なく遮断周波数や帯域幅を変えることが可能である.また,それらのフィルタを回路として実際に実現するための,簡単な回路構成法についても提案している.この構成法は,どのような実係数フィルタ回路をプロトタイプとしてもよい.更に,シミュレーションにより構成例を示し,提案した構成法の有効性を確認している.
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-12-25