KT カット幅縦水晶振動子の強制振動解析とその周波数温度特性

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KTカット幅縦水晶振動子は室温で零温度係数を有し,かつ,そのときの2次温度係数βの絶対値はDTカットより小さくなることを既に報告した.また,65℃付近の温度では,1次,2次温度係数α,βが近似的にゼロとなるので室温から130℃の高温度の範囲にわたって周波数変化の小さい幅縦水晶振動子が得られることを同時に示した.本論文の目的は圧電反作用の項と用いる弾性定数の温度係数の誤差が幅縦水晶振動子の共振周波数や1次,2次,3次温度係数α,β,γに及ぼす影響を明らかにすることにある.まず,周波数方程式と超越方程式は,圧電反作用項を包含して導出される.すなわち,周波数方程式は1次元近似式で与えられる.次に,この式より,周波数定数やα,β,γの各温度係数が理論的に計算される.その結果,圧電反作用項により周波数定数は約0.4%大きくなり,一方,温度係数については,αへの影響は小さく,β,γに著しく影響を及ぼす.特に,弾性定数の温度係数の誤差を考慮することにより,β,γの実験値は計算値に完全に一致する.また,周波数がf=13.6,16.3と30.7MHzの計算値と実験値の周波数温度特性の比較がなされ,両結果のカット角の差異は0.1°,1.1°,1.3°となり,特に,弾性定数の温度係数の誤差を考慮すると計算値と実験値は十分によく一致する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-11-25

KT カット幅縦水晶振動子の強制振動解析とその周波数温度特性

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