軟物体の粘弾性特性と手指による硬さ評価との関係(ヒューマンコミュニケーション)

概要

論文の詳細を見る
これまでに,手指による触診の定量化を目的とした様々な「硬さ」計測器が開発され,軟物体の「硬さ」を表す指標も数多く提案されているが,ヒトによる「硬さ」評価との対応は十分ではなかった.また,提案されている「硬さ」指標において粘性の扱いがそれぞれ異なっており,手指により知覚している「硬さ」に粘性が関与するのかについて,いまだ合意が得られていないのが現状である.手指による「硬さ」知覚と計測器による測定の最も大きな違いとして,測定条件が挙げられる.計測器では力学特性の異なる対象に対して同じ測定条件を設定して測定を行うが,「硬さ」知覚の場合には,対象の力学特性によって手指の動作を変えている.ヒトが知覚している力学特性を知るには,どのような荷重・ひずみを対象に与えているのかを観察し,その結果を計測器での測定にフィードバックする必要がある.本研究では,生体軟組織に近い特性を有するシリコーンを測定試料として使用し,「硬さ」知覚時の手指の動作測定を行った.その結果を参考に応力緩和計測の測定条件を設定して,Maxwellの5要素モデルを用いて粘弾性定数の算出を行った.ヒトによる「硬さ」評価との関係を調べたところ,生体軟組織と同程度の粘弾性特性を有する軟物体において,その主要な判断材料は平衡弾性定数であることが明らかとなった.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-10-01

軟物体の粘弾性特性と手指による硬さ評価との関係(ヒューマンコミュニケーション)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク