物理光学法から見たマスク投影系における散乱問題
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概要
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リソグラフィで用いられるマスクと投影系について、その散乱解析を物理光学法の観点から考察した。従来のフーリエ解析による像計算での回析の扱いを厳密にするのが一つの目的であり、二つめは、回折限界の投影結像を光線追跡で求めることである。物理光学法は照射面での等価電磁流を仮定するため、影領域で誤差が大きいことが知られている。リソグラフィでは、影領域の光が重要であること、マスク開口部と遮蔽部が照射光の庄長程度の間隔で配列されていることを考慮する必要がある。本報告ではそれに適した積分面を設定することにより物理光学法の定式化を行なった。上の定式化の逐次近似による解法から、光線追跡による瞳での散乱の扱い方を明らかにした。レンズ作用による位相変化および偏波ベクトルの変化を与える式を加えて、像計算の手順を示した。数値計算例により、有限の大きさをコヒーレント光源による照明を用いると解像度が向上することを示す。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-10-19