パケット移動無線伝送における送信電力・タイミング同時制御法

概要

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パケット移動無線伝送において容量増加を可能とする送信電力・タイミング同時制御法(TPDC)を提案する.TPDCは, 通信路状態がある程度良好な時刻にのみ送信することにより, 他ユーザへの干渉を抑えて容量を増加する方法である.また, 複数基地局を用いた下り信号送出の一方法として独立送信法(DPT)を提案する.DPTでは, ある移動局へ送信するパケットを, 複数の送信候補基地局に対してその移動局との間の伝送路状態の良好さに応じて予め分配する.各基地局からはTPDCによってそれぞれ自律的にパケットを転送することにより, TPDC単独よりも大きな送信電力削減及びユーザ容量増が得られる.ユーザあたりパケット送信率が0.5のとき, 最大ドップラー周波数5Hzのフェージング環境下において, シングルセル・シングルユーザ環境下で, TPDCにより, 平均遅延5msを許容することにより約3dBの送信電力を削減できる.また, マルチセル・マルチユーザ環境下で, TPDCのみで, 平均遅延5msを許容することにより約2倍, 遅延を制限しないことにより約6倍のユーザ容量増が, さらにDPTとの組合せにより前者はさらに約1.5倍の容量増が得られる.
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-04-21