発話位置依存ケプストラム平均正規化による遠隔発話の音声認識と話者認識(一般)

概要

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遠隔環境において,伝送歪みは音声認識や話者認識の性能を大きく劣化させる。本稿では発話位置依存ケプストラム平均正規化(Cepstral Mean Normalization:CMN)による遠隔発話に頑健な音声認識と話者認識手法を提案する。まず,学習時には,部屋をいくつかの区域に分割し,その中心位置からマイクロホンまでの伝達特性を各位置で再生されたスピーカーの音声を用いて事前に計測しておく。認識時には,システムはマイクロホンペア間の音声の到着時間差に基づいて話者位置を推定する。そして,推定した発話位置によって事前に計測した伝達特性を選択し,CMNによって伝送歪みを補正して遠隔発話の音声認識あるいは話者認識を行う。さらに、提案手法では,人間からの発話のケプストラム平均とスピーカーからの発話のケプストラム平均のミスマッチも補正することにより実際の発話に対応させる。スピーカー再生音によるシミュレーション実験により,提案手法は,遠隔環境下で音声認識と話者認識の性能を改善することを示した。また,人間による直接発話の認識実験により,提案手法は人間による遠隔音声も効率的,効果的に補正できることを示した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-11-19