相乗型FVQ/HMM
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概要
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Tseng等の提案したFVQ, HMM(従来型FVQ/HMM)は,フレームtの勧測ベクトルy_tの状態iにおける発生度合ω_i(y_t)の定義式と状態iにおけるクラスタmの発生確率b_im>の再推定式との間に不整合が存在する.本稿では,この問題を排除した2つのモデル,即ち,相乗型FVQ/HMM,相加型FVQ/HMMの定式化を行い,これらモデルと他のVQ型HMMとの関係をHMMの構造的見地から考察し,それぞれの認識性能の実験的比較を行う.その結果,相乗型FVQ/HMMにおいては,ω_i(y_t)は,与えられたモデルから決まる状態iでのクラスタの確率分布と,勧測ベクトルy_tの事後確率として決まるクラスタの確率分布の間のKullback-Leibler divergenceに基づいて定義出来ることが示される.また,従来型FVQ/HMMにおける前記不整合は確かにその認識性能に影響があること,VQ型HMMの中では,相乗型FVQ/HMMがコードブックサイズの広い範囲に渡って,最も良い認識性能を示すことが明らかになった.相乗型FVQ/HMMは,認識性能が最良であると同時に,VQ型HMMの中では離散型HMMに次いで計算量も少なく,利用価値の高いモデルであると言えよう.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-06-18
著者
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