室内LED照明光通信システムにおける反射光の影響

概要

論文の詳細を見る
次世代照明と呼ばれている発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、蛍光灯に比べ立上がり特性に優れていることから、光強度変調を行なうことで通信ができる。このLEDを用いた室内照明光通信システムは照明としての高いエネルギー効率を通信に適用することで、非常に大きな送信電力を用いることができる。そのために、直接光が届かない場所では、反射光により通信ができると考えられる。しかし、室内での高速伝送に用いる場合、壁、天井、床等の反射によるマルチパスの影響が大きいと考えられる。したがって、照明光通信システムにおける反射光の影響について解析する必要がある。本論文では、照明光通信システムにおける壁の反射の影響を解析した。受信機視野角の変化に対する遅延スプレッド、SNR、BERの特性を解析した。また、室内の作業面における伝送速度とBERの特性を評価した。この結果より、反射を考慮した照明光通信システムは、変調方式を変えることで約100Mbpsの高遠通信への適応が可能であることが分かった。したがって、LED照明光通信は大きな可能性を持ち、今後の室内LANの有力候補といえる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-03-12