衛星搭載ATMスイッチ構成法の研究 : 多重化機能構成法に関する検討

概要

論文の詳細を見る
回線設定の容易性、即応性および同報性に優れた衛星通信の特徴を生かして高速なアクセス回線を提供するマルチメディア衛星通信システムにおいて、キーとなる技術である衛星搭載ATMスイッチ構成法について検討を行い、ATMスイッチの入力部を設ける多重化機能の構成法に関して報告する。衛星搭載ATMスイッチは多数の異なる速度を有する加入者を直接収容する必要がある。また、衛星搭載用としてATMスイッチにおける消費電力、発熱量を極力小さく抑えるため、ATMスイッチを簡易な構成で低速なクロックにより実現することが要求される。従って、ATMスイッチの入力部における効果的な加入者回線の多重化方式の実現が重要になる。そこで、本報告では、ATMスイッチに入力する回線の容量が割り当て可能な衛星回線容量(周波数帯域幅)によって制限できるという特徴を利用し、統計多重化機能を有する多重化部の構成を提案する。次いで、転送所要時間、セル遅延揺らぎ、所要セルバッファ容量等の特性を評価し、本構成が衛星搭載ATMスイッチに有効であることを述べる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-10-19