高誘電率給電基板を有するスロット結合マイクロストリップアンテナの特性
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概要
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スロット結合マイクロストリップアンテナは,背面にMIC,MMIC等の能動回路を取り付け,接地導体板に開けられたスロットを介して直接放射導体と電磁結合させることにより給電損がなく,かつ薄形,軽量なアクティブアンテナが構成でき,高機能な移動体通信用アンテナ素子として有望である.この場合,給電基板はMIC,MMIC自身を用いるため高誘電率となり,一方アンテナ基板は広い周波数帯域幅と放射効率を得るために低誘電率のものが使用される.このように誘電率の異なる基板で構成されたときの本アンテナの諸特性を把握することはアクティブ素子を設計する上で重要である.本論文では各種アンテナ特性に対して給電基板の誘電率が与える影響を実測と空間回路網法による計算の両面から求め,これらを明らかにした.検討の結果,給電基板に高誘電率材料を用いると共振周波数は変化するが,その変化量は比帯域以下であること,アンテナの比帯域は給電基板の誘電率によらないことを明らかにした.また,MIC,MMICを直接背面に取り付けた場合にスロットを含む給電線路からの背面への放射は能動素子に直に回り込むものであり,相互変調を引き起こす原因となる.給電基板の誘電率の背面放射量への影響はアンテナのアクティブ化において欠かせない検討事項である.本論文では本検討も併せて行い給電基板の誘電率による背面放射への影響を明らかにした.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-07-25
著者
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