RLS法を用いた2次統計量に基づくブラインドシステム同定

概要

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近年、データ通信の高速化に伴い、符号間干渉を効果的に除去する適応型等化器への要求が増大している。とりわけ、ブラインド等化においては、LMSやDFEで不可欠だったトレーニング信号が不要になるため、多くのアプリケーションにおいて利用可能となる技術として注目を集めている。しかしながら、従来提案されているブラインド等化は、局所解の存在、収束が遅い、演算量が多くリアルタイム処理に不向きであるなどの問題を有している。本稿では、これらの問題点を解決する新しいブラインドシステム同定アルゴリズムを提案する。本手法は、2次統計量に基づき、Single-Input Double-Output(SIDO)モデルを利用して、少ない演算量で高速に収束するブラインドシステム同定法であり、リアルタイム処理に適するものである。はじめに、SIDOモデルの性質について述べ、本方式のコスト関数を定義する。ここでは、本コスト関数より導出された方程式の解が一意に求まることを示す。そして、上述した方程式の解を逐次更新的に求めるアルゴリズムを提案し、シミュレーションにより本方式の有効性を示す。
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-10-16