通信網における網状態依存型リソース要求量決定機構の提案

概要

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近年,通信網においては,信号方式や通信端末の高機能化,更に新たな網オペレーション技術の導入により,ユーザは回線接続要求時に網内状況に応じた通信サービスを柔軟に選択することが可能となってきた.本論文では,呼レベルで未使用網リソースの有効利用を図る網状態依存型リソース要求量決定機構を提案する.提案機構では,網・ユーザ間に設置した情報通知用回線を通じ,網内の回線使用状況に応じて変化する情報をユーザヘ通知する.ユーザは,網からの通知情報に基づいて,回線の接続要求頻度,保留時間およぴ占有帯域をパラメータとしてリソース要求量を決定する.網内閑散時にはリソース要求量を増加させ,混雑時には減少させることにより,未使用リソースの有効利用および混雑時の接続率向上が図られる.また,提案機構は,需要変動の影響による網へ加わるリソース要求量の変動を緩和する特性を備えている.本論文では,定常状態における網の振舞いについて数値例による評価ならびに解析的な議論を行う.また,網リソースの使用量に対する対価等を通知情報として使用するモデルに関する検討および評価も行っている.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-05-25