無侵襲脳機能計測装置による歌および朗読音声聴取の計測 : 成人と幼児の比較(「感性情報処理の基礎と応用」並びにヒューマン情報処理一般)(視聴覚脳機能)
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概要
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無侵襲脳機能計測装置「光トボグラフィ」を用い、幼児の音声聴取に伴う大脳皮質領域での血液量変化を、大脳半球の左右差および成人との比較という観点から検討した。幼児(1歳〜5歳)と成人を対象とし、「反復的リズムのある朗読音声」、「通常の朗読」、「歌」を聴取した時の脳機能の活動状態を計測した結果、幼児の場合には、「歌」の聴取時に著しく血液量が増加した部位(利き手の反対側である右半球に位置する)が、「反復的リズムのある朗読」聴取時にも活性化し、右半球優位性を示した。その左右差を成人の結果と比較すると、幼児の方が右半球優位性が高く、その差に有意傾向がみられた。一方、「通常の朗読」聴取時における同部位の血液量とその左右差に往日すると、幼児と成人との違いには有意差がみられなかった。この結束から、幼児は成人に比べ、反復的リズムのある朗読に対しては、その意味を理解しようとするよりも、音楽的側面に注意を向けて聞いていることが示された。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-12-11
著者
-
大畑 祥子
日本女子大学家政学部児童学科
-
中川 佳子
東海女子大学
-
中川 佳子
日本女子大学人間社会学部心理学科(卒)
-
河内 十郎
日本女子大学人間生活学研究科人間発達学専攻
-
田中 泉
福島学院短期大学
-
河内 十郎
日本女子大学家政学部児童学科(元)
-
大畑 祥子
日本女子大学
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