HMEを用いた順逆モデリング
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ニューラルネットワーク(以下NN)によりシステムの逆モデリングを行うためのアルゴリズムがいくつか提案されている。順逆モデリングは、NNにより学習された順モデルから対象とするシステムのヤコビ行列を推定し、システム出力の誤差を入力の誤差に変換している。このようなアルゴリズムでは、システムの関数がネットワークの出力と目標出力との間に峰を持つ場合、逆モデルの学習が不可能になる。この原因は、ネットワーク出力から得られるヤコビ行列と目標出力から得られるヤコビ行列が大きく異なるためである。本研究では、システムの順モデルをHME(Hierarchical Mixtures of Experts)を用いて学習することにより、前述の問題点を克服できる逆モデルの学習法を提案する。HMEはExpert NetとGating Netと呼ばれる二種類のネットワークが階層的に組み合わされて構成されているモジュール型のNNである。ネットワークの出力はExpert Netの出力μ_<j|i>とGating Netの出力g_iおよびg_<j|i>の荷重和により得られる。Expert Netの入出力を線形とすればμ_<j|i>=U_<j|i>xとなり、入力xと出力yの関係は、y=(Σ_ig_iΣ_ig_<j|i>U_<j|i>)xとなる。g_iとg_<j|i>はxの関数であるが,yが与えられたときにこれらの値を知ることができれば、Σ_ig_iΣ_ig_<j|i>U_<j|i>は目標出力から得られるヤコビ行列の近似と見ることができる。本論文では、目標出力yからのg_iとg_<j|i>の推定法とHMEからシステムへの入力の誤差を計算する方法を述べ、簡単なシミュレーションの結果を示す。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-03-27
著者
関連論文
- 確率的傾斜法とメモリベース的な手法を組み合わせた強化学習法
- D-15-38 寮生による全学情報教育の活性化の運用(D-15. 教育工学,一般セッション)
- 寮生による全学情報教育の活性化
- Differential Evolution における制御変数の自動調節
- D-15-28 寮生による全学情報教育の活性化の試み(D-15.教育工学,一般講演)
- 適応度の計算回数を削減するための遺伝子選択法
- 尤度最大化を目的としたエージェントの学習アルゴリズム
- Hierarchical Mixtures of Experts を用いた自律移動ロボットのための環境認識
- ニューラルネットワークによる行動作成に基づいた進化ロボット
- 順モデルによる自律移動ロボットの制御
- 柔らかい検索システム
- フィードバック誤差学習を利用した自律移動ロボットの逆モデリング
- ウィルス進化論を模した遺伝的アルゴリズム
- DNAのコード領域予測による遺伝情報解析
- A Nonlinear Integrator with Positive Phase Shifts for the Control System
- 評価値が単調に増加する遺伝的アルゴリズム
- Hierarchical Mixtures of Expertsを順モデルとして利用した逆問題のための学習アルゴリズム
- ニューラルネットワークによる順モデルを用いた冗長マニピュレータの逆キネマティクス問題の解法
- HMEを用いた順逆モデリング
- 新しい動的情報処理モデルの提案とその有用性
- 解像度変換符号化方式の検討
- カオス同期を用いた2信号遅延秘匿通信システムのシミュレーション
- ニューラルネットワークを用いた積分方程式の解法
- 順逆モデリングにおける順モデルに関する考察
- A-49 カオス同期を用いた2信号遅延秘匿通信システムのシミュレーション(A-2. 非線形問題,一般講演)
- 学習の初期にフィードバック誤差学習を利用する順逆モデルの同時学習アルゴリズム
- ニュ-ラルネットワ-クによる順逆モデルの同時学習
- 学習曲面におけるローカルミニマムの十分条件
- Smalltalk-80を用いた新入生導入教育
- Smalltalk-80を用いたソフトウェア教育支援システム : 概要および導入教育について
- システムレベルの故障診断における診断可能性
- 多数回平均のみによるインパルスレスポンス推定の一方法
- 千葉地域の視程の変化について
- 長江下流域における土地利用変化の構造分析 : 2元配置モデルによる統計的分析
- 大型宇宙構造物の制御ストラテジ
- 修正ロジスティック関数による各国の粗鋼年間生産量予測
- 前処理を含むノイズキャンセラのアルゴリズムとその性能評価
- 適応ノイズ・キャンセラのための最適ディジタル・フィタの設計〔英文〕
- EICを用いたニュ-ラルネットワ-クモデルの選択法
- 大型宇宙構造物の制御ストラテジ