LPDAを放射素子とした超広帯域アレーアンテナによるアンテナ性能実現性の検討
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概要
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近年ソフトウェアレディオの研究が盛んに行われており、広帯域アンテナの必要性が高まっている。筆者等はアレーアンテナの素子間隔を波長に応じて不等間隔に設定した構造により、2〜10GHzの広帯域において周波数変化のない指向性(定指向性)が得られることを、アレーファクターの計算により明らかにした。本報告では、放射素子として具体的に対数周期ダイポールアンテナ(LPDA)を用いたアレーアンテナを構成し、電気特性のシミュレーションにより、広帯域放射特性の実現性について検討している。2〜10GHzにおいてアレーファクターとほとんど同等の定指向性が得られることがわかった。不等間隔アレー構成では、2GHz近傍の低周波帯において、放射素子の間隔が非常に近接配置となるものが多く存在し、相互結合により指向性の実現比に危惧されたが、結果的には良好な指向性が得られた。この理由を調べるため、2GHzのダイポールを放射素子とした構成やLPDA放射素子構成について素子上の電流分布を求め、指向性実現の機構を検討した。ダイポールアンテナ構造では、近接配置素子では相互結合により電流分布は乱れているものの、指向性形成に重要となるアレー両端の素子では電流分布の乱れは生じていないことがわかった。また、LPDAを放射素子とした電流分布では電流分布の乱れが小さく相互結合の影響はほとんど現れていないことがわかった。
- 2002-01-17
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