MIMOシステムにおける固有値を用いた軟判定復号法の受信ダイバーシチに関する検討(移動通信ワークショップ)

概要

論文の詳細を見る
近年、限られた周波数を有効利用して大容量のディジタルデータを伝送するための無線通信技術が要求、されており、この要求を実現するための一方法としてMIMO(Multi-Input Multi-Output)技術が注目を集めている。これまでに、我々はMIMOシステムにおいてチャネル行列の最小固有値のパワーを重み付け係数として用いる軟判定復号法(weighting-by Eigenvalue Power: W-EP復号法)を提案し、送受信に2本ずつのアンテナを用いるシステムにおいて、レイリー/ライスフェージング環境下における効果を示してきた。本報告では、レイリーフエージング環境下において受信アンテナ数を増加させ,各受信信号を最小固有値のパワーで重み付けして合成することによるダイバーシチ効果を計算機シミュレーションにより評価した。結果より、受信アンテナ数nを増加するにつれ受信E_b/N_0対BER特性が改善され、その改善はnの増加に伴い徐々に小さくなることを確認した。また、nを増加することでインタリーブサイズによるBER特性差が小さくなることを確認した。以上より、本受信アンテナ合成法は、インタリーブサイズを小さくしつつ受信品質を改善できる方法であると言える。
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-02-25