マルチキャスト通信におけるメディア同期方式

概要

論文の詳細を見る
マルチキャスト通信は,マルチメディア通信の実現のための重要な技術の一つであり,多くの研究が行われている.ビデオや音声等の複数メディアをマルチキャスト通信するためには,各メディア出力先においてメディア同期制御によってメディア内及びメディア間の時間関係を調整するだけでなく,メディア出力先間におけるメディア出力速度を一致させる必要がある.筆者らは,前者のメディア同期方式として,複数のメディア発生源からのメディアを一つのメディア出力先に転送する場合を対象に,メディア内及びメディア間同期制御の後にフィードバック制御を行う方式を提案した.そして,実験システムにおいてその妥当性を確認すると共に,同期外れからの回復方法としてメディア発生源でのメディアユニット(例えば,ビデオフレーム)のスキップ処理(ソーススキップと呼ぶ)の有効性を示した.本稿では,この方式のマルチキャスト通信への適用を考える.このとき,メディア発生源において各メディア出力先に対して個別にスキップ処理を行うのは困難であるので,別の回復方法が必要となる.一方,メディア出力先間での出力速度の調整は,伝送速度や伝送誤り率が大きく異なるネットワーク間や,処理速度や機能の異なるメディア出力先間でマルチキャスト通信を行う場合に重要となる.この方法として,一つのメディアストリームを複数のサブストリームに分割して,ネットワークや端末の性能の違いを吸収する方法(メディアスケーリングという)が考えられている.この方法は,ソーススキャップの代わりに同期外れからの回復方法として使用可能である.そこで,本稿では,文献のメディア同期方式と,メディアスケーリングを組合わせて制御する方法を提案する.また,その有効性を示すために行った実験結果についても述べる.
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27

マルチキャスト通信におけるメディア同期方式

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク