技術試験衛星VI型の開発と運用
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概要
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技術試験衛星VI型(以下ETS-VI)は、1990年代の通信放送分野において必要となる大型で高性能の実用衛星のニーズに応えるための技術確立を目的とした衛星である。この衛星は打ち上げ時重量約4トン/静止軌道上約2トンという世界最大級の衛星であり、高さ約10m、パドル展張時幅は約30mのサイズをもつ。平成2年9月のシステム詳細設計審査会後約半年でインテグレーション、電気性能試験を開始し、平成4年3月〜平成6年3月に筑波宇宙センターにおいてプロトフライトシステム試験を実施した。環境試験においては、音響、振動試験の実施、宇宙環境と同等の環境にさらすために大型真空チェンバに入れての約40日間の長期熱真空試験等、約2年間にわたる評価試験を実施し、打ち上げ可能であることを検証した。その試験方法は、従来技術の最大限の活用と共に新たな要素技術の応用を組合せ開発成果をあげることができた。平成6年3月より種子島宇宙センターにおいて約4.5ヶ月の射場作業を行い、8月28日にH-IIロケット2号機により打ち上げられた。本稿は、ETS-VIのプロトフライトモデルの開発留意点と運用の概要について報告する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-03-27
著者
-
稲田 陽一
(株)東芝小向工場
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田中 俊輔
宇宙開発事業団
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北原 弘志
宇宙開発事業団
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金森 康郎
宇宙開発事業団
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金森 康郎
宇宙開発事業団衛星総合システム本部 Drts プロジェクトチーム
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金森 康郎
宇宙開発事業団技術試験衛星グル-プ
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岡 優
(株)東芝小向工場
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田中 康雄
(株)東芝小向工場
-
鳥海 強
(株)東芝小向工場
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