NASDAにおけるスペースデブリ観測のためのシステムに関する検討
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概要
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地球周回軌道への人工衛星等の打ち上げは、1957年のスプートニク以来1992年末までに公式なものだけで約3500回余りを数え、この人類の宇宙開発の進展と共に人工起源のスペースデブリ(宇宙破片)が増加し、現在有人活動を支えるインフラストラクチャの設計に直接的影響を与えているのみならず、将来の宇宙活動そのものの存続を脅かすまでになってきた。このスペースデブリ対策の大きな柱は、「低減対策」によるデブリ発生の抑制、「観測」によるデブリ環境の把握、宇宙機へのデブリバンパ搭載等の「防御」に大別され、特に「観測」の分野に至ってはその大半は米国「US SPACECOMMAND」の宇宙監視網に依存しているのが現状である。一方、我が国においては、一部の研究機関において研究実験的にスペースデブリの観測を行っているに過ぎず、今後も継続的にNASDAが宇宙開発を行っていく上では、スペースデブリに関する情報を全て外国に依存する現状の体制は適切ではなく、かつ、今後の宇宙開発に国際貢献の付加価値がより求められることを考慮すると、日本国内の観測体制整備やスペースデブリ対策を積極的に推進していくべきであると考える。NASDAにおいては、将来的に整備すべきスペースデブリの観測システムの概念検討を行うことを目的に、平成6年度より「スペースデブリ観測システムの研究」に着手した。本会では、現状における検討状況を報告する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-03-27
著者
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田島 徹
宇宙開発事業団追跡管制部
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内村 孝志
宇宙開発事業団
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中山 公彦
宇宙開発事業団追跡管制部
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中山 公彦
宇宙開発事業団地球観測センター
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田島 徹
宇宙開発事業団
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福井 重充
宇宙開発事業団追跡管制部
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鈴木 道彦
宇宙開発事業団追跡管制部
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内村 孝志
宇宙開発事業団追跡管制部
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