日本語の読みの機構とその障害 : 漢字・仮名の乖離を超えて(言語の脳科学とニューロコンピューティング)
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概要
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日本語の音読研究における従来の説では, 漢字では文字から意味を介して音韻が想起され, 仮名では文字が音韻に直接変換される機構が想定されてきた. また脳損傷による失読症例では漢字, 仮名の一方に選択的障害を示す症例がいるという二重乖離が報告され、漢字と仮名に異なる処理を想定する神経学的モデルや認知モデルが提案された. これに対し我々は, 健常成人や失読例を対象としてさまざまな実験を行い, 漢字にも文字を音韻に直接変換する機構があること, 仮名にも意味が関与することを明らかにしてきた. これらの結果に基づき, 漢字と仮名に共通の処理機構を想定する認知モデルを提唱する.
- 2005-01-17
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