パターンのエントロピーモデル
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概要
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パターンから抽出される特徴量として,Suzukiが提案し続けている測度的ユニタリ不変量(重み付き非負実数値2次汎関数)の関数値が採用された場合,原パターンΦから抽出された特徴量の組を用いて,Φと同一特徴量の組をもつパターン(Φのモデル)が2種類構成できることは既に証明されている.本論文では,2種類のこのパターンモデルの中間の位置にあると思われるパターンモデルがパターンΦのもつエントロピーと同一の値を備えた形式で,新たに提案されている.この新しいモデルをエントロピーモデルと呼ぶが,このような3種類のモデルTΦは,原パターンΦから特徴抽出した後,知覚されるであろうすベてのパターンに共通な"原始的な形状成分の集合(基庭)"の助けで,もとのパターンΦの構造を再生したものであり,ある種のユニタリ座標変換群のもとの不変性も備わっている.本モデルのユニタリ不変性は知覚の恒常性の実現のためにも有効であり,また,原パターンと同一の特徴量の組を本モデルが備えている事実は,原パターンから再度特徴抽出する必要性はない,という"望ましい正規化の機能"をももたらしている.本モデルの記述限界も指摘され,同時に,エントロピーを不変に保つパターン変換は,ユニタリ作用素以外に存在するか,という末解決であった問題を肯定的に解決している.更に,ある一般的な条件(phase限定条件)のもとで,二つのパターンモデルが原パターンを絶対値1の複素定数倍を除いて,一意的に表象できることも証明されている.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-11-25
著者
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