水晶振動式角速度センサのモデル化と振動解析(超音波エレクトロニクス)

概要

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自動車の安全性向上を目的とした車両制御システムのために高精度な振動式角速度センサが求められている.このセンサ精度に影響を与える主な要因の一つとして,角速度が印加されていないときのセンサゼロ点出力の発生が挙げられる.しかしゼロ点出力が発生する起源やその発生メカニズムは明るかではない.そこで我々が開発した水晶振動式角速度センサにおいて,異方性エッチング後の振動子に断面非対称性が存在することに着目することで断面非対称性をもつビームの静的曲げモデルを提案し,ゼロ点出力の起源を解析的に明らかにした.この結果を角速度センサの動的モデルに適用し,大きなゼロ点出力が発生する現象を解析した.その結果,(1)角速度センサにおけるゼロ点出力発生が断面非対称性による断面主軸の回転に起因すること,(2)断面非対称性による断面主軸の回転角7が励振-検出間の結合度を表すカップリング係数を与えること,(3)振動系に断面非対称性による励振-検出間の結合があり,共振周波数を接近させた場合に,励振方向変位と同程度の検出方向変位が発生することを解析的に示すことができた.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-09-01