聴覚障害者のリズム認識と学習
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概要
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聴覚障害者がマルチメディアの助けを借りて音楽に親しむために、どのようなフィードバック環境がよいかを知る目的で、筑波技術短大の学生を対象に行った実験を紹介する。単純なリズムを合奏することを想定し、手本の指示と応答との時間差を測定した。MIDIシステムを用い、手本リズムを視覚映像と音で提示し、それに合わせてMIDIドラムを叩くタイミングをデータとして取得した。被験者として聴力に差の有る障害者と、比較のため音楽経験に差の有る健聴者を採用した。手本映像にカーソルで指示された予測情報を含む場合は偏差が小さく有効である。また学習が進むにつれ、リズム構造を反映して、フレーズ内で演奏タイミングが周期的に手本からずれることが見出された。このようなリズム認識は聴覚障害者がリズムを学習する上で重要であり、繰り返し刺激では、予測情報を伴わない視覚情報やスピーカー音も同期信号として有効なことが分かった。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-01-20
著者
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