電界プローブ固定型局所SAR測定装置の設計パラメータと特性

概要

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著者らは、携帯電話機から放射される電波による頭部局所SARを測定する方法として、固体ファントムと電界プローブを用いる方法を提案している。本測定法は、従来の空間走査型測定法と比較してより単純な構成で簡易に局所SARを測定できる利点を持つ。本論文では、測定装置の設計パラメータとして、固体ファントムの電界プローブ挿入穴と複素誘電率偏差がアンテナ入力インピーダンスと局所SARに与える影響を検討している。FDTD法による解析の結果、電界プローブ挿入穴はアンテナ入力インピーダンスと局所SARにほとんど影響を与えないことを明らかにしている。さらに、複素誘電率備差はアンテナ入力インピーダンスを大きく変化させ、本測定装置により±30%以内で局所SARを得るためには所望の複素誘電率に対する偏差が-20%≨△ε≨+50%, -50%≨△σ≨+60%であれば十分であることを確認した。最後に、上記条件を満たす異なる複素誘電率を持つ固体ファントムを用いて局所SARの評価を行い、ほぼ実用に供しうる測定装置を構成できることを確認している。
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-10-12