複数波源を有する通信装置の放射妨害波推定法の検討

概要

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筆者らは,従来より通信装置を建物などの設置場所に設置した場合の放射妨害波を推定する方法を検討している.この推定方法は通信装置の放射特性を模擬する模擬波源を使って,試験サイトと設置場所の放射妨害波に関する変換係数を求め,この変換係数を考慮して試験サイトの電界強度から設置場所の電界強度を推定するものである.しかし,従来の推定法では装置の放射特性が複雑になると,一個の模擬波源で装置の放射特性を近似することが困難になるため,推定精度が悪くなる傾向があった.本稿では,従来の方法の問題を解決するため,装置の放射特性を複数の模擬波源を用いて近似し,これらの模擬波源を用いて設置場所の電界強度を推定する方法を検討している.検討の中で,装置の放射特性の近似方法や電界強度の推定方法について述べている.また,実際の装置を用いてその有効性を検討した結果,周波数30MHz-300MHzにおいて,推定値と測定値の偏差が2〜3dB程度であり,従来の方法より8〜10dB程度,推定精度を改善することができたことを明らかにする.
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-09-20