連続時間巡回神経回路モデルのための揺らぎ駆動学習則とその動的システム制御への応用

概要

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連続時間リカレントニューラルネットワークのための揺らぎ駆動学習則を導出した.全ニューロンのしきい値にはランダムな揺らぎnj(p, t), (j:ニューロン番号, p:入力パターン番号, 0≦t≦T_p, Tp:パターン長)が重畳している.揺らぎ振幅の確率密度Nj(nj)は時不変とし補助関数gj(nj):-dNj / dnj=gjNjを導入する.nj(p, t)群のため, 全ニューロンの出力rj(p, t)や瞬時誤差e(p, t)も確率変量となる.そのとき, ニューロンiからのシナプス結合wjiに関する学習則Rji(p, t)=∫^t_0gi・ridt / tj, Δpwji=-μ∫^<Tp>_0e・Rjidt / Tp(Tj:膜電位時定数, μ:学習係数)が, 平均誤差の期待値<∫^<Tp>_0edt / Tp>を最急降下させ得ることを理論的に示した.この学習則は, 随伴系・感度系のいずれの学習用伝搬処理系も不要で, 積分処理によって, 時間前向き方向に, 実行可能であり, 従来の学習則とは異質の特徴を有する.また, この異質さが, JK-Flip / Flop課題の学習, 動的対象システムの逆モデル学習, 変速機付移動体の速度制御学習を学習支援機能なしで可能にすることを数値実験によって検証した.
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-03-25