静止衛星電波受信に与える電波到来角変動の影響

概要

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静止衛星からの電波を受信する際, 一般に簡易な方法として, 自動追尾機構を付けずに, 受信アンテナを固定して用いる.静止衛星は, 地心角±0.1^°/day以内に制御され, 受信アンテナへの電波到来角は衛星の軌道変化と降雨等の散乱による到来角変動が合成されて変化する.静止衛星からの電波を固定アンテナで受信し, 電波伝搬特性や, それを利用した電波通路上の気象変動を観測・解析するとき, 電波到来角が, アンテナ利得パターンとの関係において測定精度に重要な影響を与えるので, その影響の程度を検討しておく必要がある.しかし, これまでほとんど微小変化として無視することが多かった.ここではアンテナビーム幅が狭くなるほど, すなわちアンテナ直径が大きくなるにつれ電波到来角変化の影響が大きく, 観測データへの影響が大きくなり無視できない場合があること, また, 降雨散乱による到来角変動は, 大きな影響とはならないことなば, 検討を行ったのでその結果を報告する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-12-25