誘導結合型酸素プラズマ処理によるCdTe表面酸化層の形成と表面リーク電流低減効果

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概要

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CdTe結晶は,比較的大きなバンドギャップをもち,X線やγ線に対して高いストッピングパワーを有するため,室温動作が可能な放射線検出素子として有望視されている.しかし.CdTe放射線検出素子の検出性能は,結晶中を流れるリーク電流と表面リーク電流によって制限される.結晶表面に形成されるピクセル電極間に流れる表面リーク電流の大きさは結晶の表面状態に強く依存している.我々は,この表面リーク電流の低減のため,誘導結合型酸素プラズマ処理をCdTe試料へ施した.光電子分光法による分析から,酸素プラズマ処理した試料の表面には,およそ40Aの酸化層が形成されることがわかった.本研究で行った実験条件の範囲では,その厚さはほとんど変化せず安定に形成された.更に,酸素プラズマ処理によって,ピクセル電極間を流れる電流が処理前に比べて約1/3程度まで減少し,表面リーク電流の低減効果が確認された.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-04-01

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