下側頭葉における文脈依存的連想の計算論的モデル(バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング)

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概要

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脳の記憶系は,同じ入力刺激から文脈に応じて異なる情報を想起することができるが,その過程を反映したニューロン活動がサルの下側頭葉皮質において観測されている.しかし,このような文脈依存的連想を一般的な神経回路網によって実現しようとする際,文脈情報と想起すべきtargetとが多対多に対応することに起因する大きな計算論的困難があること,その困難が選択的不感化という手法によって解消可能であることが知られている.本研究では,「下側頭葉ニューロンの一部が文脈に応じて選択的に不感化される」という仮説に基づいて,文脈依存的記憶課題を実行する神経回路モデルを構築する.このモデルは,下側頭葉の構造や生理学的知見と整合しており,生理実験のデータをよく再現するだけでなく,これまで説明がつかなかった現象に明確な説明を与える.このことは,脳において選択的不感化原理に基づく文脈依存的情報処理が行われている可能性を強く示唆する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-08-01

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