スラックスの拘束性に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本報では動的衣服圧,動作時の身体の伸びとずれの関係,筋電図の計測により,スラックスの拘束性について多角的に評価し,運動機能性の高いスラックス設計のための基礎資料を得ることを目的とした.同一のパターンで作られた4素材のスラックスと4段階のゆとりを有するスラックスを着用した時の拘束性がどのように異なるかについて比較を試みた.1)衣服圧についてドーム法による推定値とセンサ値の関係を調べた結果,センサの計測値は高い傾向を示し,布により異なった関係を示した.これらをもとにそれぞれ布ごとにセンサ値の較正を行い,より精度の高い衣服圧を求めることができた.2)スラックスを着用して立位姿勢からしゃがみ込み姿勢を行うとき,膝と殿部の衣服圧は,しゃがみ込み直後に最大となりその後減少がみられた.衣服圧は,素材の力学的特性や腰囲や後ろ股上でのゆとり量の影響を受けて変化し,拘束性の度合を評価できる最適な指標の一つといえる.3)スラックスを着用し立位からしゃがみ込み動作間で殿部と膝で布のすべりを調べた結果,膝部でずれが多くみられた.ずれの分布より,素材の伸長特徃と摩擦力が拘束性に影響を与えると考えられる.4)筋電図の計測により,衣服の拘束が運動時に与える影響について調べた.拘束力の大きいスラックスで,大腿直筋の放電図に多少の差がみられ,動きやすさに影響を与えていると思われた.
- 1993-12-15
著者
-
石川 欣造
東京工業大学
-
川端 博子
東京都立立川短期大学
-
山形 昭衛
東京都立立川短期大学
-
須田 紀子
東京都立立川短期大学
-
石川 欣造
文化女子大学家政学部
-
川端 博子
東京都立川短大
-
石川 欣造
文化女子大学 被服環境学研究室
関連論文
- 東京多摩西部地区の高齢者の生活に関する研究(第4報) : 衣生活
- 東京多摩西部地区の高齢者の生活に関する研究(第3報) : 食生活
- 東京多摩西部地区の高齢者の生活に関する研究(第2報) : 対人関係
- 東京多摩西部地区の高齢者の生活に関する研究(第1報) : 調査方法と生活時間
- 未熱処理ポリエチレンテレフタレ-ト延伸フィルムの熱収縮
- 延伸ポリマーの熱収縮とガラス転移
- スラックスの拘束性に関する研究
- Bellows action(ふいご作用)の着衣の放熱性能への影響 第1報 衣服下間隙寸法と通気性の効果
- 着衣時の皮膚露出部の熱伝達への端部開口部の効果-模擬皮膚による検討-
- 衣服のフィット性と機能性について (アパレル)
- 人体表面のかたさ特性に関する一考察
- 衣服圧に関する研究-2-異方性布の曲面変形時の圧力評価〔英文〕
- 衣服の拘束性に関する研究--上腕圧迫時の血流および皮膚温への影響について
- 着衣の熱・水分同時移動への布の通気性, 透湿性による影響
- 繊維と私
- 学会あれこれ
- 祖父江 寛先生 SOBUE Hiroshi -化学繊維の進展とともに-
- 無定形高分子の体積粘弾性
- 3a-G-5 高分子物質の融解とガラス転移
- ポリエチレン分子の音響的配向評価
- 無定型高分子の熱膨張および圧縮率
- P.V.C.シートの衝撃引張特性 : 高分子のレオロジー
- レーヨンの引張強度について : 高分子のレオロジー : レオロジー特集号
- 紡績繊維の動的挙動の吸湿度依存性 : 高分子レオロジー
- 再生セルロース繊維の湿潤時の粘弾性 : 高分子レオロジー
- 模擬皮膚からの熱伝達 : 模擬皮膚湿潤時と乾燥時の比較
- 衣服素材の通気性と放射特性が着衣系の熱伝達に及ぼす効果〔英文〕 (感覚と計測)
- 談話室 : ドレープ(ひだ)の美しさを求めて
- 繊維の伸張と動的弾性率
- 着衣の保温性への下端開口部の効果 -模擬皮膚による検討-
- 布の透湿性
- 被服の拘束に関する基礎的検討 : 摩擦の寄与
- 縫いつけ法による洗濯時の布にかかる張力測定法の提案
- 布透湿性の基礎的検討
- 被服科学研究委員会報告
- 21世紀に向けて
- テキスタイルと情報
- 日本の繊維・高分子科学の先駆者 祖父江先生
- 被服学のあれこれ
- 仕上げ過程における紡毛布地の空隙構造変化
- ポリメタクリル酸メチル延伸フィルムのガラスーゴム転移と熱収縮
- 繊維・織物の衝撃強さ
- 繊維の疲労について (ゴム用繊維の最近の諸問題)