42. 実験的ヘモクロマトージスにおける鉄反応陰性色素-ヘモフスチン(セロイド色素)-の生成過程の組織化学的, 電顕的研究
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概要
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Von Recklingbausen(1889)はへモクロマトージスの組織学的特徴として肝・膵を始めとする諸臓器に鉄反応陽性(血鉄素)並びに鉄反応陰性(ヘモフスチン)の2種の色素が多量に沈着することをあげている。今回我々は粟井ら(1977)によるヘモクロマ卜ージスの実験モデルを用いて, とくに鉄反応陰性色素の生成過程に就て検索を行なった。実験方法 : Fe-NTAを10〜30週腹腔内連日注射(週6回)したマウス(生後1.5〜2カ月)の肝臓を週数を追って採取, 観察し, 肝星細胞内に血鉄素と共存するセロイド色素を見出すことができた。星細胞内セロイド色素のズダンIII染色陽性色(パラフィン切片)が共存する多量の血鉄素の著明な鉄反応によって蔽われている様な場合でも蛍光検査法によりセロイド色素の黄緑色の自家蛍光を認めることができるのでとくに色素形成初期には蛍光検査法が有効である。ヘモフスチンの本態に関してはMalloryフクシン染色陽性かつ他の染色法では陰性の血色素由来の色素と考える古典的記載以外に, 本色素がしばしばセロイド色素と一致するという報告(井上ら1957, 伊原ら1970)からは上記セロイド色素をヘモフスチンとみなすことができるのでその電顕的検索を続行中である。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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