62. ニワトリ白血球顆粒の中性α-グルコシダーゼ

概要

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白血球にはいわゆるリソゾームを含む顆粒系が発達している。リソゾームには通常、酸性水解酵素が多く存在しているが、今回は糖の水解酵素について調べた。ニワトリ末梢血白血球のpostnuclear supernatantをシヨ糖密度勾配遠心で分画すると2種類の顆粒画分が得られる。酸性ホスファターゼは主にsmall granulesに存在するが、4-methylu-mbelliferyl-α-D-glucosideを基質としたα-グルコシダーゼ活性を見ると酸性α-グルコシダーゼ活性はlarge granulesに強い。2つの顆粒画分には加水分解酵素活性が認められ、形態的にはlarge granulesはazurophilic granulesとして特徴的な構造を示す。Small granulesはazurophilic様の性質を示すが、白血球特有のSpecific granulesも含むといわれている。腹腔から得られた好異球(polymorph)の顆粒を分画するとやはり2種類の顆粒が得られ、酸性、中性α-グルコシダーゼ活性の分布は異なっていた。リソゾーム中、中性α-グルコシダーゼの存在の報告はこれまでにないが、既に報告されている中性プロテアーゼの存在と関連しているのであろう。
日本組織細胞化学会の論文
1977-10-20