S-5 5. ニワトリ白血球顆粒のα-グルコシダーゼ活性の蛍光測定
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概要
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白血球にはいわゆるリソゾームを含む顆粒系が発達している。アズール顆粒はリソゾームと見なされ, 酸性水解酵素が多く存在しているが, 糖の水解酵素α-グルコシダーゼについては未知の点が多く調査した。腹腔から得られた好異球(polymorph)のpostnuclear supernatantをシヨ糖密度勾配遠心で分画すると2種類の顆粒画分が存在する。4-met hyl umbelliferyl-α-glucosideを基質としたα-グルコシダーゼ活性を見ると中性-α-グルコシダーゼの存在が認められた。末梢血白血球の顆粒を分画するとやはり2種類の顆粒が得られるが, largegranulesには腹腔浸出好異球と異なり酸性α-グルコシダーゼ活性が強い。この酵素は4-methylumbelliferyl-α-glucosideからグルコースを切り離す。この反応の他の生成物の4-methylumbelliferoneは柴外線を照射すると蛍光を出す。つまり酵素活性は蛍光の強さを測定したら決定できる。この測定法を発展させて細胞レベルで試みた。無蛍光のスライドグラスに約1.5%の寒天を薄く引き, その上に白血球を分散させた直後, 温風器で乾燥, 4-methylumbelliferyl-α-glucoside溶液を塗抹しすばやく水分が見えない程度に乾燥しincubator中37℃で反応させる。反応停止は氷上にスライドを置くか, pH10.3のglycine bufferを加えた。この方法ではバックグランドが顕著に減少し, 一定時間範囲では蛍光が増大する。蛍光顕微鏡で細胞レベルでの染色も可能であるオルガネラ, 細胞レベルでの定量化について言及したい。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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