52. 血小板をモデルとして電顕組織化学によるCaの検出法の検討

概要

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従来よりCaの検出法には信頼度や特異性などの種々の問題が指摘されて来た。我々は血小板を用い, 組織化学に元素分析を併用することにより, Caの局在を明らかにしつつある(Histochemistry 52巻P25-32, 1977)。今回種々のCa検出法と元素分析の結果を比較検討したので報告する。方法 ; 人血小板を蓚酸カリ-Gr, アンチモン酸カリ-OsO_4, Ca-Gr, ランタン法, ストロンチウム法などで固定した。Epon包埋後薄切しJEM100-Cで観察し, EDAX707B EDITで元素分析した。結果 ; 下記の条件により, 蓚酸カリ-Grが一番信頼できる結果を得た。すなわち予め血小板をhigh K-蓚酸カリ液で浸漬し, 37℃の蓚酸カリ-Grで固定した。OsO_4の後固定無しにEpon包埋した。きらに手速く薄切し無染で鏡検すると, 電子密度の高い沈澱物を多数血小板の空胞に観察できた。元素分析してみるとCaのみが検出された。アンチモン酸カリ-OsO_4でも沈澱物は空胞に検出された。しかし元素分析してみると, SbとKが多くCaも検出されたが量的には少なかった。従ってアンチモン酸カルシウムが沈澱物のtriggerとなり, それに非特異的なアンチモン酸カリ等が集積して沈澱物を形成すると考えられる。池の諸法も比較討議する。
日本組織細胞化学会の論文
1977-10-20