39. Substance P 拮抗物質投与によるラット脊髄灰白質の電子顕微鏡形態学的変化について
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概要
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β-(4-chlorophenyl)-γ-butyricacid(本物質)は, 近年末梢一次知覚ニューロンの伝達物質と推定されているsubstance P (SP)の拮抗物質であることが大塚らによって明らかにされている。SPは脊髄後角の第一層のニューロン内に高濃度に検出され, またPickelらは最近ラットで同部位の神経終末の径60〜80nmの小顆粒中での存在を指摘した。演者らは本物質をラットに慢性, 急性に投与しSPの神経伝達物質としての存在様式を推定し, 本物質の影響を電顕形態学的観察をとおして知ろうとした。ウィスター系オスラット(150〜180g)に本物質を1日0.2mg皮下注投与し20日間後にペントバルビタール麻酔下で1%グルタルアルデヒドで灌流固定し脊髄を切出し脊髄後角および前角細胞周囲を電顕形態学的に観察し対照ラットと比較した。また別に2mg皮下注一回投与し, 同様に観察した。本物質慢性投与ラットの脊髄後角および前角neuropil中の軸索は対照ラットと比較し神細線の配列の乱れが明らかで終末部位にミトコンドリアの変性像, 不定形のdense bodyなどをみとめた。SPの脊髄内の局在とこれら所見との関連を考察する。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
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