TUMOURLETSの病理組織学的研究 : 所謂発育不全領域との関連において
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概要
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肺の所謂発育不全領域60症例, 68区域を病理組織学的に精査したところ, 1955年Whitwellの記載にはじまるtumourletsを10例(16.7%)と高頻度に見出したので, 所謂発育不全領域及びtumourletsを病理組織学的またそれらの関連について検討した。所謂発育不全領域は新生児にみられず20才から85才までにみられ50才以上の高年者により多くみられ, 線維化, 小円形細胞浸潤, 所謂腺様化生が高頻度で炎症を繰返した状態と考えた。tumourletsの多くは多中心性に発生し, 細胞異型, 核分裂像, 転移はみられず, 肺胞腔, 細気管支粘膜に拡り, 互に連がりをもっていた。tumourletsの細胞はargyrophil細胞で, 電顕的にも胞体内に神経分泌様顆粒がみられ, Kultschitzky型細胞由来が考えられた。tumourletsは気管支, 細気管支既存細胞の周囲組織への浸潤を伴なわない増生, 即ち過形成とするのが妥当と考えた。
- 日本肺癌学会の論文
- 1978-06-25
著者
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