胸腔内悪性腫瘍例における上大静脈再建術の経験

元データ 日本肺癌学会

概要

上大静脈壁への腫瘍の直接浸潤を認めた3例に対して,静脈壁の部分切除と再建術を試みた.術中は内シャント法を用い,再建には2例に自家静脈壁パッチを,!例に心嚢バッチを用いた.肺癌2例中1例は術後2週間目に肺炎にて死亡,他の1例は術後1年目で癌の再発により死亡したが,胸腺腫の1例は術後2年3ヵ月目の現在,健在である.3例ともに術後経過中,上大静脈再建部の血栓形成を認めなかった.悪性腫瘍の上大静脈壁への浸潤は,外科的適応としない考え方が一般的であるが,著者らは,かかる症例のあるもの,すなわち,上大静脈壁への浸潤が腫瘍の直接浸潤で,しかも他に著しい転移の認められない症例に対しても外科的療法の適応を拡大しようとの試みから3症例に上大静脈壁の合併切除と上大静脈の再建術を行なった.著者らの3例はともに腫瘍の浸潤が上大静脈の全局に及んでいなかったことから,内シャント法を用いることにより,再建中の上大静脈灌流を確保することが出来た.上大静脈の内シャント法はかかる手術に際し,安全かつ比較的容易に行ないうる有用な方法であったことから,その術式と成績を報告する.

著者

荒井 他嘉司 転移性肺腫瘍研究会
稲垣 敬三 転移性肺腫瘍研究会
羽田 圓城 日本肺癌研究グループ (jlcrg)
荒井 他嘉司 国立療養所肺癌研究会
稲垣 敬三 国立療養所中野病院外科
平田 正信 国立療養所中野病院外科
荒井 他嘉司 国立療養所中野病院外科
羽田 圓城 国立療養所中野病院外科
吉田 勝之 国立療養所中野病院外科
森本 和大 国立療養所中野病院循環器科
中 佳一 東名厚木病院呼吸器外科
吉田 勝之 国立療養所中野病院
清川 忠男 自治医科大学胸部外科
清川 忠男 救世軍ブース記念病院外科
舟波 誠 国立療養所中里予病院循環器外科
尾上 保夫 国立療養所中野病院循環器科
平田 正信 国立療養所中野病院
中佳 一 国立療養所中里予病院呼吸器外科
荒井 他嘉司 国立療養所中野病院
稲垣 敬三 国立療養所中野病院 外科 現 横浜市立大学医学部 第1外科

関連論文

▼もっと見る