間質性肺炎を合併した肺癌手術症例の周術期管理に関する検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
間質性肺炎を合併した肺癌切除例の周術期管理の問題点を明らかにするために自験例8例についてレトロスペクティブに検討した.背景では男性の重喫煙者症例が多く,肺活量,1秒率は保たれていたが拡散機能の低下を認めた.術前間質性肺炎は明らかな活動期の症例はなかった.手術は標準手術4例,拡大手術2例,縮小手術2例で手術侵襲と術後合併症の間に関連を認めなかった.8例中1例で術後間質性肺炎の急性増悪と考えられる症例を経験したがステロイドパノレス治療で改善した.間質性肺炎の急性増悪を術前状態,手術侵襲から予測する事は困難と考えられた.特発性間質性肺炎を合併した肺癌の手術にあたっては1)間質性肺炎の活動性評価2)症例に応じ適切な術式を選択する3)使用酸素濃度,投与量は最小限にする 4)術後呼吸状態の変化を早期にとらえることが重要である.以上に留意し積極的に手術する事が間質性肺炎を合併した肺癌の治療上重要である.
- 1999-12-01
著者
-
林 純一
新潟大学第2外科
-
篠原 博彦
新潟大学医歯学総合病院第2外科
-
青木 正
新潟大学第二外科
-
大和 靖
新潟大学第二外科
-
吉谷 克雄
新潟大学第二外科
-
渡辺 健寛
新潟大学第二外科
-
土田 正則
新潟大学第2外科
-
篠原 博彦
新潟大学第二外科
-
橋本 毅久
新潟大学第二外科
-
相馬 孝博
長岡中央綜合病院胸部外科
-
相馬 孝博
新潟大学第二外科
-
相場 孝博
新潟県立がんセンター新潟病院胸部外科
関連論文
- 4.頸部アプローチ+胸腔鏡下に摘出した縦隔内副甲状腺腫の1切除例(第49回 日本呼吸器内視鏡学会北陸支部会)
- 大動脈解離診療ガイドライン(循環器病の診断と治療に関するガイドライン(1998-1999年度合同研究班報告))
- 大動脈解離診療ガイドライン
- SF-076-2 新潟県中越大震災被災地住民に対する深部静脈血栓症(DVT)/肺塞栓症(PE)の診断, 治療ガイドライン(第107回日本外科学会定期学術集会)
- 13 頸動脈エコーのMax-IMTによる術前リスク診断(一般演題,第260回新潟外科集談会)
- 16 腹部大動脈瘤手術後の消化器合併症(第254回新潟外科集談会)
- 縦隔血管周皮腫の1切除例(関東支部,支部会推薦症例)
- PP142 標準的手術全般に適応可能な低侵襲心臓手術:L字型胸骨小切開の有用性
- 49)正常心内圧にもかかわらず右→左短絡を認め,多発性膿瘍を生じた心房中隔欠損症の一例(第201回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- 7 左室緻密化障害に対して左室部分切除術を施行した1例(I.一般演題,第245回新潟循環器談話会)