難治性睾丸腫瘍に対するVM-26,VP-16を用いたsalvage化学療法の治療成績

概要

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13例の難治性睾丸腫瘍に対しVM-26またはVP-16とシスプラチン(CDDP)を用いたsalvage化学療法を行なった.12例はPVB療法またはVAB-6療法を,1例は放射線療法を前治療として施行していた.前治療によるCR後の再発例5例,PRまたはNCが8例であった.VM-26は50mg/m^2を週2回,6週間,CDDPは20mg/m^2を5日間,3週毎を3〜4回(P-VM療法),VP-16は100mg/m^2を5日間,3〜4週毎に4〜5回,CDDPは同様(P-VP療法)とした.P-VM療法を7例,P-VM療法と放射線の併用を3例,P-VP療法は3例に施行した.その治療成績は,CR6例(46%),PR4例(3%),NC3例(23%)で,P-VM療法の7例に限ればCR3例(43%),PR4例(57%)であり,最終的には9例(69%)が完治した.副作用は,強い骨髄抑制がみられたが,その他特に重篤なものはみられなかった.4例では放射線療法とsalvage化学療法の併用にてCRがえられ,今後salvage放射線療法も検討すべきであろう.VM-26又はVP-16とCDDPの併用療法は現時点における最良のsalvage化学療法のレジメンといえよう.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1989-11-20