間質性膀胱炎の臨床研究 : その1-(1) 結核性萎縮膀胱と間質性膀胱炎による萎縮膀胱との臨床的及び組織学的検討

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結核による萎縮膀胱と考え、治療を行った15症例の予後に相違がみられた。これらの症例の臨床所見や組織像を再検討すると、結核が否定された3例と全身的に膠原病が合併していた計4例は結核性萎縮膀胱例と比較し、全膀胱壁において脆弱性があり出血や感染が起きやすく、さらにアレルギー性体質を有していた。これらの4症例は組織学的にも他の症例と比較して、膀胱の全層にわたる間質において著しい肉芽様の慢性炎症や筋組織の退行性変性だとの特徴を有していた。これらの症例の炎症細胞浸潤は多数のリンパ球の他に多くの組織球や形質細胞、好酸球などが見られ、他の11症例と明らかな相違を示した。またこれら4症例の毛細血管やリンパ管は一部で充満し拡張している一方、血管壁の炎症や肥厚がある所では内腔の狭窄も見られた。以上の組織学的所見から、これら4症例は結核による間質の変化ではなく間質性膀胱炎であった。しかし、これらの4症例を間質性膀胱炎と考えると、Hunnerらが述べる臨床像とかなり異っていた。臨床像における自験例とHunnerらの相違は、Hunnerらが初期の一時期における臨床的特徴を捉えたことにより生じたものと考えられた。また、自験例は全層の間質にわたり一様に著しい非特異的炎症像を示したことから、限局性かつ比較的軽度な病変を示す、いわゆる結核によ間質性膀胱炎とは異なるものと考えられた。

間質性膀胱炎の臨床研究 : その1-(1) 結核性萎縮膀胱と間質性膀胱炎による萎縮膀胱との臨床的及び組織学的検討

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