腎細胞癌の組織分類の検討 : 腎癌取扱い規約における問題点について

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概要

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(目的)腎細胞癌は多くの場合,組織学的に多様であるが,現行の取扱い規約では,優勢な組織成分のみを選択し,腎細胞癌の組織分類をおこなっている。この分類が予後を的確に反映しうるかどうか検討をおこなった。(対象および方法)腎細胞癌130例の病理プレパラートの光顕所見により,取扱い規約による組織分類をおこなうとともに,個々の細胞成分・構築成分の有無につき,その優劣に関わらず,検索した。その結果に基づき,単変量および多変量解析を用い,予後に影響を与える組織因子を検討した。(結果)多変量解析では,細胞成分では紡錘・多形細胞の存在,構築成分では,充実性構築の存在のみが有意な予後困子であった。取扱い規約による分類では,これらの予後因子の有無が正確に示されなかった。(結論)取扱い規約に基づく,現行の腎癌の組織分類は,予後不良な組織学的因子の存在についての記載が正確になされず,今後の改良が必要と考えられた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1997-11-20

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